第38回国際福祉機器展H.C.R.2011が、2011年10月5日(水)〜10月7日(金)に東京ビッグサイト東展示ホールにて開催されました。
今年も、最新の福祉機器の状況を把握するべく、ケアマネジャー6名で参加してまいりました。
極く一部ではありますが印象に残りました展示内容をご紹介いたします。
1. のびるエアマットレス
背上げ時の体のズレによる違和感と腹部圧迫が軽減できる。介助者への負担も減る。
<感想>
背上げ時にベッドとマットレスがベルトで移動してマットレスが上に伸びている感じがある。体のズレをあまり感じなかった。
2. 介護用スプリングマットレス
高さ10cm程の薄型スプリング構造。へたりや余分な沈み込みがおきにくい構造。体圧分散と通気性、さらには「程よい硬さ」に重点をおいている。
<感想>
スプリング構造なのに硬過ぎず柔らかすぎず、ギャッジアップにも対応して寝心地良好。マットを汚してもカバーが取り外せて洗濯できるので衛生的である。
3. 床ずれ防止用ハイブリッドマットレス
ハイブリッド。静止型ウレタンマットレス(寝姿勢の安定性)をベースに、腰部エアセル(耐圧分散)搭載。チェッカーオルタネイト。腰部の54個のキューブ型エアセルが千鳥格子状に膨縮し安定感があり、膨縮サイクルが50秒と短い為圧力も速やかに開放できる。
<感想>
体がマットレスに包まれている感じで安心感がある。体が沈み込むのではなくポジショニングを行うには安定したマットレスの硬さになっており、介助者にも介助しやすい。
4. 可搬型階段昇降機
使用可能な階段。コンクリート、木製、大理石、螺旋階段。狭い場所での方向転換が容易。小型で軽量(25kg)なので介護者の負担が少なく、持ち運びや収納も便利。利用者のADLに応じて3タイプから選べる。
<感想>
(1) 木造でも使用可能なので、自宅内の2階から1階へ移動可能。小型で軽量。車のトランクに収納できるので、持ち運びが楽で行動範囲が広がる。
5. 電力使用量の変動を利用した高齢者見守りシステム (介護保険外)
家庭での電力使用量を測定し、高度なアルゴリズムによって生活リズムを判断、学習することで、異常が発生した時に登録しておいた最大5件に通知ができる。又、専門知識が無くても簡単に設置ができ、電池で駆動する。
<感想>
従来のモーションセンサーでの感知システムは誰かに見られている違和感やペットによる誤作動が生じたり、家電製品の安否確認システムは常に使用し続けなければならないという問題があったが、ネットミルは見守られているという意識から開放され普通に日常生活を送りながら安否確認ができる。
6. スーパー低床介護ベッド
就寝時ベッドが0cmまで下がり、介護時や移動時には55cmまで上げることができる。
緊急停止装置により、ベッド下に異物を感知した時は下降を停止。オプション
<感想>
自立歩行が可能な認知症の方の転落予防ができるので、介護者の不安が軽減できる。
7. あがりかまち用たちあっぷ
置くだけなので、住宅改修をせずに、玄関に手すりが設置出来る。
両手と片手すりを選べるので、身体状況、生活状況に合わせられる。
高さが2タイプあり、あがりかまちの高さに合わせて選択可能。
<感想>
固定はしていないが、安定感があり。片手すりは、同居家族の居る自宅では有効と思われる。
・ベースの幅が靴を着脱する際、丁度良い幅な印象。オプションのステップ台が、手すり貸与にならない自治体が多いとのことで、対応策の検討を希望したい。
8. たちあっぷ関連品
たちあっぷ用の重し。今までは、たちあっぷを連結使用する際は、ベッド等で固定金具を使用しなければ連結使用できなかったが、重しを付けることで、固定しなくても連結使用できるようになった。
<感想>
様々な場所で、手すりを連結しての利用が可能となることから、ベッドから離れた居間など利用できる範囲が広がった印象。
9. 強力吸盤式手すり
強力吸盤で、タイル・ユニットバス・浴槽内に取り付け可能な手すり。簡単に脱着可能で、2点固定・3点固定の選択可能。
現在、貸与や購入の品目に該当せず、自費での購入になる。
<感想>
簡単に着脱ができることから、同居家族の居る自宅にも有効。手すりの必要性を検証するための、住宅改修のデモ品としても最適。数千円〜1万数千円程度の価格設定とのことで、安価な印象。
10. スライダー車いす 横移動車いす
アームレバー操作により横移動や小回りが簡単にできる。
簡単に車輪が外れるので、幅寄せが便利。
<感想>
レバー操作で車椅子に乗ったまま横移動が可能になり、狭いトイレの便座移乗・エレベーターの中等、介護者の負担が軽減できる。車輪が簡単な操作ではずれるのでベッドのすぐ横まで移動でき、ベッドへの移乗が楽にできる。
以上は極めて一部であり、他にも優れた福祉用具が沢山あったかと思います。
ご利用者様により良い福祉用具をご提案できるよう、ケアマネージャーとして今後も日々学習をして参りたいと思います。