医師国家試験は毎年2月に行われ、医学部を卒業した約1万人が受験します。
今年の第114回医師国家試験の合格率は92%で例年よりも高めでした。医学部は全国で約80大学ほどあり、一学年90~120人程度です。大学によっては進級が厳しいところがあり、卒業試験で約30人も落とす(=留年)ところなどあり、卒業試験をクリアしてやっと医師国家試験を受けることができます。
医学部をストレート進級できるのは平均して9割前後かと思います。だいたい1,2年次の解剖、6年次の卒業試験が関門となります。
そして迎えた国家試験は落ちれないプレッシャーや医学部に合格して卒業した人たちで争う試験ですのでレベルが高く、過酷な戦いになります。医師国家試験というのは、全身で見ると足のつま先から頭の上まで全部を含む体の構造や疾患、治療、公衆衛生などすべてを含むため、とても膨大な知識を問い、現在は全部で400問を1日目と2日目に分けて9:30~18:30と一日がかりで解きます。
そして、晴れて合格となってからは初期研修医として2年間の研修を行い、3年目から各自の専門科に進み後期研修を歩みだすことになります。これでやっと医師として働けることになります。これが現行の制度となっています。
現在の出題傾向を見てみると、昨今の少子高齢化社会を反映して、介護の問題なども取り上げられています。
例えば、
2019年の医師国家試験では
113F-43
地域包括支援センターに配置が義務付けられているのはどれか?3つ選べ。
a.医師
b.保健師
c.社会福祉士
d.ケアマネージャー
e.医療ソーシャルワーカー
(第113回医師国家試験問題抜粋)
正解はb.保健師、c.社会福祉士、d.ケアマネージャーです。
介護従事者の方などはご存じかと思いますが、医師も介護について知っている必要があるというメッセージだと思われます。
今後は介護について詳しい医師が増えていくことでしょう。