最近、おしっこが我慢できずに漏れてしまう、または回数が多くなることはありませんか?年齢が上がるとどうしても頻尿になりやすくなります。
おしっこが漏れる(=尿失禁)原因には種類があります。
①腹圧性尿失禁、②切迫性尿失禁、③溢流性尿失禁などです。
①腹圧性尿失禁:くしゃみや立ち上がり、走った際など体動によって失禁が起こるもののことで頻度では一番多い種類です。加齢や出産が原因となり、女性に起こりやすいです。治療としては薬物治療や骨盤筋体操、膀胱吊り上げ術などの外科的治療が行われます。
②切迫性尿失禁:尿意があっても我慢できなくて失禁してしまう状態です。基本的に脳血管障害やパーキンソン病、脊髄損傷、多発性硬化症といった病気によって神経に障害が起こることで容易に排尿反射が起こり尿失禁してしまう(→神経因性膀胱)ために起こります。治療としては薬で排尿する筋肉の動きを抑制することが中心となります。
③溢流性尿失禁:体動や尿意に関係なく、尿失禁してしまう状態です。原因としては前述の神経因性膀胱や前立腺肥大症のように尿路が邪魔されることで生じます。治療としては、溜まっている膀胱から直接管を挿れて尿を出す導尿や尿道カテーテルを留置する必要があります。
男性の場合は前立腺肥大症が原因になることが少なくありません。前立腺では男性ホルモンが作られるので男性ホルモンが強い人は必然的に前立腺肥大症のリスクが高まります。治療としては男性ホルモンを下げる薬などや肥大している前立腺を切除する手術が行われています。
尿失禁は誰にでも起こりうるものであり、もしご家族やご自身に思い当たるものがあれば、どの種類に当たるかを考え、病院を受診してみてください。
介護においても利用者の方の尿失禁の原因について考えると対応を含め、アプローチしやすくなると思います。ただ実際の介護現場においては、夜間の尿失禁に対しては就寝前の水分摂取量を減らすことやご本人のサイズにピッタリのおむつをつけることが大事かもしれません。